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ForescoutがClaudeでPLCのRCEを別機種へ移植 — WAGO 750-852から750-831へ、8時間超・500ドル超で再現もデバイスは破損

ForescoutのVedere Labsは2026年9月1日、AnthropicのClaudeを用いてWAGO PLCの事前認証RCEを別機種へ移植する実験を公表した。既知の脆弱性CVE-2021-31886を起点に、AIが静的解析と実機テストを併用してクラッシュを確認した後、制御されたコード実行へ到達。最終段階だけで8時間超と500ドル超のAPIコストを要し、追加のC2化の試行ではPLCが破損した。研究者は人手の介入が依然不可欠としつつ、介入が減る将来の拡張リスクに警鐘を鳴らした。

攻撃手法
ソフトウェア

Forescoutの研究部門であるVedere Labsは2026年9月1日、Anthropicの生成AI「Claude」を用いて、WAGO製プログラマブルロジックコントローラ(PLC)の事前認証リモートコード実行(RCE)を別機種へ移植する実験の結果を公表した。同社はPLCを標的とした最近の攻撃を背景に、AIがOT機器への攻撃開発をどの程度効率化できるかを検証した。

750-852の既知RCEを750-831へ移植する実験

実験の起点は、WAGO 750-852向けに同社が既に保有していたRCEエクスプロイトである。このエクスプロイトはCVE-2021-31886(Nucleus FTPサーバの事前認証バッファオーバーフロー)を悪用し、認証なしで任意のARMシェルコードを実行するものだ。

研究者はこのエクスプロイトを、関連しつつ異なる機種であるWAGO 750-831向けに移植することをClaudeに指示した。さらに、移植後のRCEを足掛かりにコマンド&コントロール(C2)型のインプラントまで発展させられるかを試した。

ForescoutはClaude Codeに対し、ターミナル、参照ファイル、リバースエンジニアリングツールのGhidra、そして物理的な対象PLCへのアクセスを与えた。AIはファームウェアの静的解析と実機への動的なプロービングを組み合わせ、脆弱性の存在を確認するペイロードでPLCをクラッシュさせた。クラッシュ自体は比較的早期に確認できたが、クラッシュを制御されたコード実行へ昇華させる過程では、AIが誤った手がかりを追い、研究者が都度方向修正と追加の技術的文脈の提供を要した。

Opusへの切替で12分以内に2件の有効ペイロードを生成

進捗が停滞したため、研究者はモデルをClaude Sonnet 4.6からClaude Opus 4.6へ切り替え、不確実なファームウェアの詳細がある際はAI側から確認を求めるよう指示した。転換点は、注入したコードが実行前に消去される原因をAIが特定し、ペイロードを保持するよう手法を調整した時点だった。この障害を越えると、Claudeは12分以内に2件の異なる有効なペイロードを生成した。

Forescoutは、この「初期のコード実行到達までは困難で時間を要するが、一度到達すれば反復が急速に進む」というパターンこそ、多数の関連標的へ横展開する際のコスト構造として注視すべきだと指摘している。

8時間超・500ドル超のコスト、C2化ではPLCが破損

コストと所要時間も公表された。RCE移植の最終段階だけで8時間超のセッションと500ドル超のAPI利用料を要した。

さらに、別セッションでRCEを基盤としたC2インプラントの開発を試みた際、Claudeが段階的に複雑化させたペイロードの一つが、PLCのフラッシュメモリにマップされた領域へ書き込みを行い、**デバイスが恒久的に起動不能(ブリック)**となった。研究者は「AIをガイドした研究者がAIなしで初期RCE移植をより短時間・低コストで達成し、PLCを破損させずに済ませられた可能性は現時点では否定できない」としつつ、「より重要な問いは、必要な専門家の介入量が今後どこまで減るかだ。人手は並列化できるが、AIは多数の関連標的への限界コストを一括で下げ得る」と述べている。

同実験は、米国の水道分野でインターネットに露出したPLCが相次いで標的とされた事案を受けた時期に行われた。Forescoutは、CISAが水道分野のOT保護を呼びかけ、多数のPLCが依然インターネットに露出しているとする注意喚起を発していたことにも言及している。

日本企業への示唆とForescoutの呼びかけ

WAGOのPLCは国内の製造・インフラ設備でも利用されている。Forescoutの実験は、特定機種向けの既知エクスプロイトが、AIの支援により別機種へ比較的短期間で転用され得ることを示した。Forescoutは現状では人手の介入が不可欠であり、防御側がパッチ適用とネットワーク分離、露出面の削減を進めることが重要だとしている。同社は、AIによる攻撃開発の効率化が進めば、類似機器への横展開コストが下がる可能性を指摘し、OT環境の棚卸しと継続的な脆弱性管理を呼びかけている。

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