脆弱性 / VULNERABILITY / CISCO
Cisco Nexus 9000でroot権限のRCE脆弱性 CVE-2026-20212 — Silicon One搭載モデルが対象、修正版と回避策を公開
Ciscoは2026年9月2日、Nexus 9000シリーズのSilicon One ASIC搭載モデルで、未認証の遠隔攻撃者がroot権限でコードを実行できる脆弱性CVE-2026-20212(CVSS 9.8)を公表した。既定のL3 VRFでTCP 43210/43211番ポートが開放されていることが原因で、同社はソフトウェア更新とiACLによる遮断、Live Protectシールドの適用を呼びかけている。
Ciscoは2026年9月2日(GMT)、Nexus 9000シリーズスイッチのSilicon One ASIC搭載モデルに、未認証の遠隔攻撃者がroot権限でコードを実行できる脆弱性CVE-2026-20212を公表した。CVSS基本スコアは9.8(Critical)で、Cisco Bug IDはCSCwu32817、脆弱性タイプはCWE-1327だ。Cisco Product Security Incident Response Team(PSIRT)は、適用可能な回避策とLive Protectシールド、修正版ソフトウェアを公開している。PSIRTは公表時点で悪用の公表や悪用の事実は確認していないとしている。
既定のL3 VRFでTCP 43210/43211が到達可能 — rootでコード実行のおそれ
Ciscoによると、脆弱性はNexus 9000のSilicon One統合部分にある。既定のLayer 3(L3)仮想ルーティング転送(VRF)でTCPポート43210と43211がアクセス可能な状態にあるため、攻撃者が対象装置へ接続し、細工した入力を送ることでroot権限でコードを実行できてしまう。Ciscoは、悪用の成功によりS1HALプロセスがクラッシュし、装置が再起動(リロード)する場合もあると説明している。
影響を受けるのは、Silicon One ASICを搭載するNexus 9000シリーズだ。Ciscoが公表した対象の製品識別子(PID)は次の10機種である。
- N9324C-SE1U
- N9348Y2C6D-SE1U
- N9364E-SG2-O
- N9364E-SG2-Q
- N9396T12C-SE1
- N9348Y12C-SE1
- N9396Y12C-SE1
- N9336C-SE1
- N9K-C9804
- N9K-C9808
PIDはshow moduleコマンドで確認できる。Ciscoは、同シリーズでも上記以外のモデルや、ACIモードのNexus 9000、Nexus 3000/7000、Firepowerシリーズなどは本脆弱性の影響を受けないとしている。脆弱性はCisco TAC(Technical Assistance Center)のサポートケース解決中に発見された。
修正版はSoftware Checkerで確認 — iACLとLive Protectで一時緩和
Ciscoは、根本的な対策として修正版ソフトウェアへのアップグレードを強く推奨している。対象バージョンや最初の修正版(First Fixed)は、Cisco Software Checkerで確認できる。Ciscoは、NX-OS Softwareの推奨リリース文書と併せて、アドバイザリが示す修正版へ更新するよう求めている。
すぐに更新できない場合、Ciscoは次の回避策を一時的な緩和策として示している。
- インフラアクセス制御リスト(iACL)で、管理・制御プレーン宛ての必要な通信のみを許可する
- あるいは、対象装置に設定されたIPアドレス宛てで宛先ポートが43210または43211のTCPパケットを明示的に拒否するiACLを設定する
Ciscoは、詳細はCisco NX-OS Software Hardening Guideを参照するよう案内している。回避策は検証環境で有効性が確認されたものの、顧客環境での適用可否と影響を評価してから導入するよう注意を促している。
加えて、CiscoはNX-OS Software向けのLive Protectシールド(CVE-2026-20212用)を公開した。適用方法は『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Security Configuration Guide』のLive Protectに関する章を参照するよう案内している。Ciscoは、Live Protectシールドは更新までの時間を稼ぐ一時的な緩和策であり、最終的な修正にはソフトウェア更新が不可欠だと強調している。
日本のデータセンターや大規模ネットワークでNexus 9000を運用する組織は、Silicon One搭載モデルの有無をshow moduleで確認し、対象であればiACLの適用とLive Protectの検討を進めつつ、計画的に修正版への更新を進めることが望ましい。管理ネットワークからの到達性を絞ることが、未認証RCEの入り口を閉じる近道になる。
出典
- Cisco Security Advisory「Cisco Nexus 9000 Series Switches Silicon One Remote Code Execution Vulnerability」cisco-sa-n9k-s1-rce-EH8dEtr(2026年9月2日公表) https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-n9k-s1-rce-EH8dEtr
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