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米財務省が対イラン大規模制裁「Operation Economic Outcast」開始 — 重要インフラ攻撃のMOIS系サイバー集団も指定

米財務省は8月24日、イラン政権に対する包括的経済圧迫作戦「Operation Economic Outcast」を開始し、約60の個人・団体・船舶を制裁対象に指定したと発表した。指定には2023年夏以降に米国の重要インフラや政府機関を侵害してきたMOIS配下のサイバー集団が含まれる。FBIが8月18日に17人を起訴した事件と連動し、デジタル資産など5分野で二次制裁の対象も拡大した。

米財務省は2026年8月24日、イラン・イスラム共和国とその支援者を対象とする包括的な経済圧迫作戦「Operation Economic Outcast(経済的追放作戦)」を開始したと発表した。同省の報道発表によると、財務省外国資産管理局(OFAC)が核・ミサイル調達網、サイバー作戦、石油収入網に関わる約60の個人・団体・船舶を制裁対象に指定した。トランプ大統領の指示による全省庁横断の取り組みで、財務省は「イラン政権を支える全ての経済的生命線を断つことが目的だ」と説明している。

何が指定されたのか

今回の措置は、複数の大統領令に基づいて実施された。財務省は、大量破壊兵器拡散を対象とするE.O.13382、悪意あるサイバー活動を対象とするE.O.13694(改正版)、イラン経済の特定分野を対象とするE.O.13902、テロ支援を対象とするE.O.13224を根拠としている。国防関連では、イラン国防軍需省(MODAFL)配下の調達網として、中東と東アジアにまたがる20以上の団体・個人も指定された。

財務省は同時に、5つの重要分野を二次制裁の対象に追加した。E.O.13902に基づき、デジタル資産、技術、金、航空、海運の各分野で活動する外国人は、所在地を問わず制裁対象になり得る。イランが暗号資産を制裁回避に利用し、ドローンやミサイル向けの先端技術を取得し、金で通貨不安を補い、民間を装う航空機で戦闘員や資金を運び、国営海運で兵器部品を運んでいると財務省は指摘している。

制裁の結果、指定された個人・団体の米国にある財産や米国人が管理する財産は凍結され、OFACへの報告が義務付けられる。50%以上を保有される子会社も凍結対象になる。違反には民事・刑事罰が科される可能性がある。

MOIS配下のサイバー集団を名指し

今回の指定で注目されるのは、イラン情報省(MOIS)が指揮するサイバー集団が含まれた点だ。財務省は、MOISが複数のハッカー網を指揮し、米国の重要インフラに対するスパイ活動や破壊活動を支援していると説明している。

財務省が名指ししたのは、次の6人を含むグループだ。

  • Mojtaba Ghal’eh-Kuhi — グループのリーダーの一人
  • Behzad Mesri — 2018年と2019年に既に制裁歴がある人物
  • Keyvan Fayyaz Ghareh Blagh、Saber Shahbazi Balujeh、Mohammad Reza Kadkhoda’i — 2023年後半以降、実際の侵入活動を担ったとされる3人
  • Arman Kahzadian — 2023年夏に3万ドル相当のビットコインを窃取するなど、金銭目的の活動を担った人物

財務省によると、このグループは2023年夏以降、米国のエネルギー企業、防衛請負業者、医療機関、IT企業、金融機関の複数の企業に侵入し、データを窃取した。2024年夏には、米国内の複数の州・地方・連邦政府機関も侵害した。メンバーはMOISの任務と並行して私的な金銭目的でも活動しており、2025年春にはイランの通信会社からもデータを窃取したと財務省は説明している。

Ghal’eh-Kuhiら4人は、重要インフラを支えるコンピューターやネットワークに害を及ぼすサイバー活動に関与したとして**E.O.13694(改正版)**で指定された。Kahzadianは、窃取した情報を私的利益のために悪用した行為で同令に基づき指定された。

この措置は、連邦捜査局(FBI)が2026年8月18日に17人のイラン人サイバー工作員を起訴した事件と連携して実施された。起訴された17人のうち、今回OFACが指定した4人が含まれている。財務省は、MOIS自体も2014年以降、複数の大統領令で既に制裁対象になっていると補足している。

全世界への警告と通報の呼びかけ

財務省は、財務省・国務省・国防総省(発表文ではWar Departmentと表記)のチームが各国政府に「確認したイラン関連活動を直ちに停止するための期限」を通知していると説明した。期限内に停止しなければ、財務省が直接措置を取ると警告している。

また、米国務省の「Rewards for Justice(正義への報酬)」プログラムは、外国の指示で米国の重要インフラに対する悪意あるサイバー活動を行う人物に関する情報に最大1,000万ドルの懸賞金を提供している。財務省は、不審なサイバー活動をFBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)へ通報するよう市民に呼びかけている。

財務省は、一般許可(general license)の一部停止や、ホルムズ海峡での船舶運航に関するガイダンスの更新も同時に発表した。ホルムズ海峡でイランの要求に従うことが制裁リスクを高めると警告している。

指定の詳細はOFACの「Recent Actions」ページで確認できる。財務省は「制裁の目的は処罰ではなく、行動の是正だ」としつつ、対象者が法律に沿って除外申請を行う手続きも案内している。

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