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脅威動向 / THREATS / EXPLOITATION

LangflowとRuby on Railsの重大な脆弱性が相次ぎ悪用 — VulnCheckが360件超の攻撃と認証情報窃取を観測

VulnCheckは2026年9月1日までに、AIアプリ構築ツールLangflowの脆弱性CVE-2026-0768と、Ruby on Railsの脆弱性CVE-2026-66066(KindaRails2Shell)の活発な悪用を観測したと明らかにした。Langflowでは環境変数や秘密鍵の窃取、Railsでは単一IPからのC2通信を含む攻撃が確認され、米VulnCheckのCanaryで8月30日から360件超の検知が記録された。

攻撃手法
ソフトウェア

VulnCheckは2026年9月1日までに、AIアプリケーション構築ツール「Langflow」の重大な脆弱性と、Ruby on Railsの重大な脆弱性を狙う攻撃が相次いでいると報告した。同社のハニーポット(Canary)では、2026年8月30日に短時間で50件超を検知し、その後9月1日時点で360件超に増加したとしている。攻撃者は環境変数や秘密鍵の窃取、クラウド認証情報の収集を試み、一部ではイスラエルに置かれたC2(命令制御サーバー)への通信も確認された。

何が狙われているか

VulnCheckが示した2件の脆弱性は次のとおりである。

  • CVE-2026-0768(CVSS 9.8)— Langflow:ユーザー入力の検証不備により、root権限で任意のPythonコードを実行されるおそれがあるとされる。公式アドバイザリではZDI-26-034として報告されている。
  • CVE-2026-66066(CVSS 9.5)— Ruby on Rails(KindaRails2Shell):認証なしの攻撃者がサーバー上の任意ファイルを読み出し、Railsのsecret_key_baseやマスターキー、データベースパスワード、クラウドストレージの認証情報、APIトークンなどの窃取を経て、最終的にリモートコード実行に至る可能性があるとされる。

VulnCheckによると、Railsの脆弱性はActive Storageと画像処理ライブラリlibvipsの入力ファイルの扱いの差異を突くことで悪用される。攻撃者は細工した画像をアップロードし、Railsがlibvipsで画像派生(variant)を生成する際のローダー挙動を利用して任意ファイルを読み出す。影響を受けるのは、Active Storageでlibvipsを既定の画像プロセッサとして使い、信頼できないユーザーからの画像アップロードを受け付けるアプリケーションであるとVulnCheckは説明している。

VulnCheckが観測した攻撃

Langflowを狙う認証情報窃取

VulnCheckの脅威研究担当副社長Caitlin Condon氏は、攻撃者が偵察と認証情報窃取を混在させて活動していると説明した。観測されたリクエストは、環境変数(LANGFLOW_SUPERUSEROPENAI_API*AWS_ACCESS*AWS_SECRET*)の問い合わせ、/root/.cache/langflow/secret_keyの読み出し、.sshへのアクセス可否や.bash_historyのサイズ確認などを含んでいた。

同社は、2025年以降に12件のLangflow関連脆弱性が悪用され、CVE-2026-0769、CVE-2025-3248、CVE-2026-5027を用いた成功事例が15,000件超に上ると報告している。脆弱なLangflowホストは米国、ドイツ、マレーシア、ブラジル、インドに多く分布していた。

同社ブログ「Pwning the AI Stack」では、Canaryで観測した2つの異なる攻撃者の手口も詳述されている。1件目はCVE-2026-5027(アップロードのパストラバーサルによる任意ファイル書き込み)を用いてPython製の認証情報窃取ツールやプロキシ、SimpleHelpを用いた遠隔アクセスを展開し、認証情報を外部(23.234.98[.]182:9999)へ送信した2件目はCVE-2025-3248で侵入してXMRクリプトマイナーを展開し、auditdを無効化してからCVE-2026-0769で.sysdを投下し、他ホストへのスキャンへ転じたとしている。

Railsを狙うC2活動

RailsのCVE-2026-66066については、2026年8月30日以降、シンガポール、イスラエル、英国のCanaryで悪用が検知された。セキュリティ研究者Patrick Garrity氏によると、活動はフランスの単一IPアドレスを起点とし、イスラエルに置かれたホストへのC2を確立していた

VulnCheckは、Rails 8.1.3.1のパッチを適用したサーバーでも、libvips経由のファイル読み出しは遮断されるが、variation-keyのMarshalデシリアライゼーションに起因するRCEガジェットは、有効な署名があれば依然として実行されると指摘している。8月上旬時点で、インターネット上に露出した脆弱なRailsインスタンスは7,100件超が確認されたとしている。

影響と一次情報が示す対応

VulnCheckは、LangflowとRailsのいずれもインターネットに露出したホストが広く存在し、認証情報や秘密鍵の窃取が後続の侵害やクラウド環境への横展開につながるおそれがあると説明している。同社は、公開された修正への更新と、インターネット公開範囲の見直し、アップロード機能や環境変数の管理を含む設定の再確認を推奨している(同社ブログおよびCanary観測レポートに基づく)。

日本国内でも、LangflowをAI開発や業務自動化で評価・利用する組織や、Railsで構築されたWebアプリケーションを運用する組織は、VulnCheckが示すCanaryの検知状況とCVEの詳細を参照し、影響バージョンの確認と更新の要否を点検することが重要である。VulnCheckは、修正の適用だけでなく、インターネット公開の要否や認証情報の保管方法の見直しも併せて求めている。

出典

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