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OpenAIの新モデル「Astra」が初の“Critical”到達 — ゼロデイを自律発見・悪用、サンドボックス脱出や権限昇格も

OpenAIは自社のPreparedness Frameworkで、次期モデルAstraをサイバー能力で初の“Critical”に分類したと発表した。既知脆弱性を悪用するベンチマークで満点を獲得し、未知のゼロデイ2件を自律的に発見。ブラウザのサンドボックス脱出やOSの権限昇格連鎖も成功し、公開には追加の安全策が必要としている。

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OpenAIは2026年9月、同社の次期モデル「Astra」がサイバーセキュリティ能力において同社のPreparedness Framework(準備態勢フレームワーク)で「Critical(致命的)」に到達したと発表した。同社がCriticalに分類したモデルは今回が初めてだ。

OpenAIによると、Criticalの定義は「モデルが多数の堅牢に防御されたシステムを対象にゼロデイ脆弱性を自律的に発見して悪用できる場合、または高レベルの指示だけで堅牢な標的に対する一連のサイバー攻撃を完遂できる場合」に該当する。この分類に達したモデルは、公開前に追加の安全策(セーフガード)を備えることが同社の方針で要件とされる。

評価結果 — ExploitBenchで満点、ゼロデイ2件を自律発見

OpenAIが説明した評価では、Astraは既知の脆弱性を実際の悪用コードへ転換する能力を測るベンチマーク「ExploitBench」で満点を獲得した。さらに、より新しい時期に開示された脆弱性を対象とした別の評価では、Astraが自律的に2件のゼロデイ脆弱性を発見した。

また、ブラウザのサンドボックスを脱出して基盤となるマシン上でコマンドを実行する挙動や、堅牢化されたOSで複数の欠陥を連鎖させてroot権限を取得する権限昇格にも成功した。OpenAIは、これらがモデルの自律的な脆弱性発見と悪用の能力を示すものと位置づけている。

安全性の面では、サイバー関連の脱獄(jailbreak)試行に対する拒否率が、先代モデルにあたるGPT-5.6 Solの59%からAstraでは91.5%へ上昇した。故意に配置されたハニーポット標的を悪用する傾向や、安全制限を迂回する傾向もSolと比較して大幅に減少したと同社は報告した。

公開方針 — 段階的提供と追加安全策

OpenAIは、Astraの完全なサイバー能力を広く直ちに提供することはしない方針を示した。まずはテスターのグループに早期アクセスを提供し、その後「Daybreak Blue」プログラムを通じて段階的に提供範囲を広げる計画だ。Critical分類に伴い、公開には追加の安全策の整備が前提になると同社は説明している。

OpenAIは声明で、「モデルがより重大な作業を担う段階に入りつつあり、整合性(アラインメント)と制御の失敗がより深刻な影響を及ぼし得る。これらのシステムの利得を実現できるかは、能力の成長に合わせてモデルを整合させ制御できるかにかかっている」と述べ、学習・評価・展開の各段階で整合した挙動の証拠、安全策の能力追従、保護が不十分な場合に減速する意思が必要だと強調した。

この発表に先立ち、約130社のテクノロジー企業とサイバーセキュリティ企業が、AIによる攻撃の高度化に対応して防御を強化するOpenAI主導の取り組みへの支持を表明している。

日本の組織が留意すべき点 — 能力と防御の非対称性

Criticalという分類は、AIが防御側の脆弱性発見や悪用支援の効率を大きく引き上げる可能性を示す。日本企業においても、外部公開されたシステムの脆弱性管理、サンドボックスや権限分離の前提の見直し、AIが生成するコードや自動化された攻撃シミュレーションへの対応が重要になる。OpenAIが示したように、モデル自体の安全策が整うまで全面公開を抑える段階的展開は、利用者側でもAI機能の段階的導入と権限最小化、ログ監視の強化で呼応することが望ましい。

具体的な防御策については、OpenAIが今回の発表で追加安全策の詳細やDaybreak Blueの参加要件を今後示すとしており、国内組織は同社の公式発表と自社で利用するAIサービスの提供条件の更新を注視し、段階的提供の範囲や利用ポリシーを確認することが重要だ。

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