脅威動向 / THREATS / SEO POISONING
Bing検索を汚染しMayaBotを配布 — インド拠点のBengalSEOが10年規模で展開するSEOポイズニングと偽サポート詐欺
The DFIR Reportは8月24日、Bing検索結果を汚染してMayaBotを配布する大規模SEOポイズニングを報告した。インド・ラジャスタン州を拠点とするBengalSEOは2015年から活動し、偽のサポートセンターへ誘導するTraffic Distribution SystemとMatomoによる追跡を組み合わせていた。
The DFIR Reportは2026年8月24日、Bing検索結果を汚染してマルウェア配布と偽テクニカルサポート詐欺へ誘導する大規模キャンペーン「BengalSEO」の実態を公表した。調査チームはこの作戦を2015年から継続するインド・ラジャスタン州拠点のグループと高確度で帰属付け、2022年からは独自マルウェア「MayaBot(マヤボット)」を配布していたと報告している。
10年続くSEOポイズニング — Bing上位に偽ページを量産
The DFIR Reportが2026年3月に最初に検知したのは、Bing検索結果の上位に表示される偽ページ群だった。これらのページはブラックハットSEO(検索エンジンを欺く不正な最適化手法)とウェブ開発の知見を駆使して作成され、利用者が検索したキーワードに対して正規サイトのように見せかけて上位表示される。
BengalSEOはこの手法で悪性の誘導ページ(lure pages)のネットワークを構築し、被害者を2つの出口へ振り分けていた。1つはMayaBotマルウェアの配布、もう1つは偽サポートセンターへの電話誘導だ。 同レポートによると、誘導ページから先のトラフィックはTraffic Distribution System(TDS)で管理され、回転するリダイレクタドメイン群がペイロード配布ドメインへ転送を担い、オープンソース解析ツールMatomoのインスタンスで被害者の追跡とフィンガープリンティングが行われていた。
中核はインド・コタの2社 — WeConnectとGarage2Global
調査チームはSEOポイズニングで得た指標を手がかりに、詐欺ハンターフォーラムの情報と突き合わせ、**WeConnect Solutions LLC(旧iConnect Soft Solutions LLC)**にたどり着いた。同社はラジャスタン州コタでテクニカルサポートのコールセンターを運営している。
さらに同一ビルに拠点を置き、同一オーナーが経営するGarage2Globalも特定された。Garage2Globalは表向きSEOやウェブ・モバイルアプリ開発、デジタルマーケティングの正規サービスをうたうが、調査ではSEOポイズニングで使われる悪性ウェブ基盤を開発している証拠が広範に見つかった。
The DFIR Reportは、この2社とそのオーナーを現行キャンペーンの主要な推進者と評価しつつ、10年近い歴史の中で複数の企業や個人が関与・便益を得てきたと指摘している。
MayaBotとは — 「幻影」を名乗るカスタムマルウェア
BengalSEOが2022年から運用するMayaBotは、インド哲学で「幻影」や「魔法」を意味する語に由来して命名されたカスタムマルウェアだ。表面的には一般的なサポート詐欺に見えるが、グループの活動を支えるために自前で開発・維持されたマルウェアが中核にある点が特徴だと同レポートは述べている。
MayaBotは誘導ページから配布され、Traffic Distribution Systemを通じて被害者の環境や地域に応じて配布の有無や誘導先が切り替えられる。The DFIR Reportは、今回が**全容解明に向けた第1報(Part 1)**であり、規模の大きさから複数回に分けて報告するとしている。Bingでの検索汚染が起点となるため、検索結果の上位というだけで信頼せず、提供元が不明確なソフトウェアのダウンロードや、検索結果に表示されたサポート窓口への電話を安易に行わないことが重要だ。
出典
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