規制・コンプライアンス / COMPLIANCE / PRIVACY MARK
Pマーク付与事業者の事故報告は10,633件に増加 — 4割近くが速報要件に該当、誤配達・誤送信で全体の約6割
JIPDECは2026年8月31日、2025年度の「個人情報の取扱いにおける事故報告集計結果」を公表した。報告事業者数は2,021社、事故報告件数は10,633件で、前年度(1,866社・9,322件)からともに増加した。速報要件に該当する報告は4,013件で全体の4割近くを占め、誤配達・誤交付と誤送信の2分類で全体の約6割を占めた。
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)は2026年8月31日、2025年度の「個人情報の取扱いにおける事故報告集計結果」を公表した。プライバシーマーク(Pマーク)付与事業者からの報告を集計したもので、報告事業者数は2,021社、事故報告件数は10,633件だった。前年度(報告事業者数1,866社、事故報告件数9,322件)と比較して、事業者数・件数ともに増加した。
4,013件が速報要件に該当
集計結果によると、プライバシーマーク付与適格性審査基準(PMK500)第12条第3項に該当するとして報告された件数、すなわち速やかな報告が求められる水準の事故は4,013件だった。全体の10,633件のうち4割近くを占める計算になる。
該当号の内訳は、要配慮個人情報が含まれる事故(第1号)が**40.7%**で最も多く、財産的損害が生じるおそれがある事故(第2号)が23.7%、不正の目的をもって行われたおそれがある事故(第3号)が22.1%、対象者が1,000人を超える事故(第4号)が13.5%だった。
漏えいが7割、誤配達・誤送信で約6割
発生事象別では「漏えい」が**70.1%**と最も多く、次いで「紛失」が8.4%だった。漏えいと紛失を合わせると全体の約8割になる。
事象分類別では「誤配達・誤交付」が37.8%で最多、次いで「誤送信」が25.5%で、この2つだけで全体の約6割を占めた。JIPDECは、発生事象で漏えいが約7割を占めていることから、誤配達・誤交付や誤送信が個人情報の漏えいを引き起こす代表的な事象だと推察している。
誤表示は前年度の約2.3倍、不正アクセスは調整後ほぼ横ばい
「誤表示」は前年度の約3.3%から約7.2%へと、約2.3倍に大幅増加した。JIPDECは、クラウドストレージやクラウド型ツールの利用が高まる中でアクセス権限の設定を誤り、意図せず第三者に個人情報を誤表示させてしまう事故が増加したことが一因にあると考えられると説明している。
「不正アクセス」は前年度の約4.5%から約10.3%へと割合が大幅に増加した。ただしJIPDECは、不正アクセスを受けたシステムやサービスを利用している利用事業者からの報告も含まれているためであり、それらを除くと2025年度の発生件数自体は前年度とほぼ同じ水準を維持していると説明している。
媒体別では「紙」が51.2%、「電子データ」が45.3%で、紙媒体の事故が依然として半数を超えた。漏えいした項目別では「氏名」が7,002件で最も多く、住所・電話番号・メールアドレスが続いた。
原因の最多は作業・操作ミス、組織起因も約3割
原因別では「作業・操作ミス」が4,445件で最多となり、「手順・ルール違反の作業・操作」「確認不足」など担当者の作業に起因するものが上位を占めた。一方で「従業員教育不十分」「手順・ルール不明瞭、未策定」といった組織に起因するものも増加傾向にあり、2025年度は組織起因の原因が約3割を占めた。
JIPDECは総括として、個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の観点からマニュアルの整備や業務手順の再検討など組織としての体制を改めて見直すよう求めている。あわせて、個人情報を取り扱う事業者に対して自社のPMSの状況を確認し、必要に応じて改善するよう呼びかけている。
出典
- JIPDEC プライバシーマーク推進センター「2025年度 個人情報の取扱いにおける事故報告集計結果」(2026年8月31日): https://privacymark.jp/guideline/wakaru/g7ccig0000002vj1-att/2025JikoHoukoku_260831.pdf
- JIPDEC「個人情報の取扱いに関する公表・注意喚起の一覧」: https://privacymark.jp/guideline/wakaru/index.html
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