脆弱性 / VULNERABILITIES / SECURE BOOT
Cisco UCSでSecure Bootバイパスの脆弱性 — UEFI Shellのメモリ書き込みで未署名コード実行、PoC公開済みで修正ファームウェア提供
Cisco UCSサーバとUCSベースのアプライアンスで、UEFI Secure Bootをバイパスできる脆弱性CVE-2026-20293が公表された。UEFI Shellのメモリ書き込みコマンドがSecure Boot有効時にも利用できたことが原因で、CiscoはPoCコードが公開済みとし、修正ファームウェアへの更新を呼びかけている。
Ciscoは2026年9月8日(米国時間)、同社のユニファイド・コンピューティング・システム(UCS)サーバとUCSベースのアプライアンスにおける UEFI Secure Bootバイパスの脆弱性 CVE-2026-20293 を公表した。Ciscoが公開したセキュリティアドバイザリによると、脆弱性はUEFI Shellの実装にあり、Secure Bootが有効な状態でもメモリ書き込みコマンドが利用できたことが原因だ。Ciscoは脆弱性のPoC(概念実証)コードが公開済みであることを認めた上で、修正済みファームウェアへの更新を呼びかけている。
脆弱性の概要と影響
Ciscoによると、脆弱性は次の条件で悪用しうる。
- 対象: UEFI Secure Bootを有効化し、脆弱なBIOSバージョンを実行しているCisco UCSおよびUCSベースのアプライアンス
- 攻撃に必要な権限:
userまたはadminロールの有効な認証情報を持つ認証済み攻撃者、または物理アクセスを持つ未認証の攻撃者 - CVSS: 7.1(CVSS:3.1 / AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:N)— High
- CWE: CWE-749(危険な状態での公開)
- 影響: 起動時にUEFI Shellを選択し、シェルコマンドでUEFIメモリ変数を書き換えることで、Secure Bootの検証をバイパスして未署名のソフトウェアを実行できる
Ciscoは「この脆弱性は、UEFI Secure Bootが有効なデバイスでUEFI Shellのメモリ書き込みコマンドが利用可能であったことに起因する」と説明している。攻撃が成功した場合、攻撃者はプリブート環境を操作し、Secure Boot関連のメモリ値を上書きして、信頼されていないコードを永続的に実行できる状態を作りうる。
Cisco PSIRTは「PoCコードが公開済みであることを認識しているが、現時点で悪用は確認していない」としている。
影響を受ける製品
Ciscoがアドバイザリで示した影響を受ける製品は次のとおりだ。
UCSサーバ本体:
- UCS B-Series Blade Servers
- UCS C-Series Rack Servers(C845A/C885A/C880A M8を含む)
- UCS S-Series Storage Servers、UCS X-Series Modular System
- 5000 Series Enterprise Network Compute Systems(ENCS)、UCS E-Series M3/M6、Unified Edge
UCS C-Seriesを基盤とするアプライアンス(KVMまたは仮想KVMコンソールへのアクセスが可能な場合):
- Application Policy Infrastructure Controller(APIC)、Nexus Dashboard、HyperFlex(Edgeを含む)
- Secure Firewall Management Center(FMC)、Secure Email Gateway、Secure Network Analytics、Secure Web Appliance などのセキュリティアプライアンス
- Cisco Telemetry Broker、HyperFlex以外のコンピュートアプライアンス群
Ciscoは、これらのアプライアンスの一部では物理的なKVMアクセスが必要なため、攻撃経路が限定されると補足している。影響を受けるかどうかの詳細は、CiscoがBug ID(CSCwt77804、CSCwt77950、CSCwt78022など)ごとに示した修正版テーブルで確認できる。
修正状況 — 回避策はなく更新が必要
Ciscoによると、この脆弱性に対する回避策はない。Secure Boot有効時にUEFI Shellからメモリ書き込みコマンドを削除する修正が適用されたBIOSファームウェアへの更新が必要だ。
Ciscoが示した主な修正バージョンは次のとおりだ。
- 5000 Series ENCS: Cisco NFVIS 4.15.7(2026年10月)以降 — IMC/BIOSはNFVISのファームウェア自動更新で更新される
- UCS B-Series / X-Series(UCS Managerモード): 4.3(6h)、6.0(2d) など
- UCS C-Series スタンドアロン: Host Upgrade Utilityの最新版
Ciscoは「修正済みソフトウェアへのアップグレードを強く推奨する」とし、顧客に対して該当する修正リリースへの更新を呼びかけている。PoCが公開済みであるため、コンソールアクセスが可能なサーバは優先して更新を計画することが重要だ。
データセンターの基盤であるUCSのブートシーケンスが侵害されると、OSを再インストールしても残るファームウェアレベルの永続化や、ハイパーバイザの侵害につながる恐れがある。Ciscoのアドバイザリと自組織の資産台帳を突き合わせ、Secure Bootを有効化しているUCS資産のBIOSバージョンを確認することが求められる。
出典
- Cisco Security Advisory, “Cisco UCS and UCS-Based Appliances UEFI Shell Secure Boot Bypass Vulnerability” (cisco-sa-ucs-uefi-sb-bypass-eb6xC5GW) https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-ucs-uefi-sb-bypass-eb6xC5GW
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