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カリフォルニア州、オープンソースOSを年齢確認義務から除外 — AB1856が成立、Linuxディストリビューションの負担を軽減
カリフォルニア州議会は2026年8月下旬、2027年1月施行予定のDigital Age Assurance Act(DAAA)を改正するAB 1856を可決した。利用者に複製・再配布・改変を許容するライセンスで配布されるOSは「OSプロバイダー」に該当しないと定義し、UbuntuやFedora、Debian、Archなどの主要Linuxディストリビューションを年齢確認の「Age Signal」実装義務から除外する。知事の署名を経てDAAA本体と同時施行される見込みだ。
カリフォルニア州議会は2026年8月下旬、2027年1月に施行を控えるDigital Age Assurance Act(DAAA)を改正するAB 1856を可決した。改正は、利用者に複製・再配布・改変を許容するライセンスで配布されるOSを「OSプロバイダー」の定義から除外する内容だ。UbuntuやFedora、Debian、Archなどの主要なLinuxディストリビューションは、年齢確認のための「Age Signal」実装義務を負わなくなった。法案はGavin Newsom知事の署名を経て、DAAA本体と同時施行される見込みだ。
DAAAは何を求めていたのか — 4段階のAge Signal
DAAAは、2027年1月1日から適用される現行法として、アプリの内容規制や身分証の提出を直接求めず、OSが担う「Age Signal」方式を採用した点が特徴だ。カリフォルニア州議会のLegislative Counsel’s Digestによると、OSプロバイダーは次の義務を負うとされる。
- 取得 — OSプロバイダーは、アカウント設定時に利用者の生年月日または年齢の申告を求め、次の4段階に分類する。13歳未満、13歳以上16歳未満、16歳以上18歳未満、18歳以上の4段階だ。
- 送信 — 未成年者がアプリをダウンロードする際、OSは該当する年齢区分の信号をリアルタイムの安全なAPIでアプリ開発者または対象アプリストアへ送信する。
- 目的 — 開発者は生年月日のような詳細な個人情報を直接収集せずに、年齢に応じた安全対策を自動適用できる。
Microsoft WindowsやApple macOSのような商用OSは、クラウドと結びついた集中型のアカウント基盤を持つ。一方、多くのLinuxディストリビューションは単一の営利主体が管理する集中アカウントを持たない。
なぜオープンソースが問題になったのか
DAAAの義務をそのまま適用すると、非営利のボランティアコミュニティが身元確認と年齢検証の基盤を一から構築する必要が生じる。カリフォルニア州議会の審議資料によると、この負担は小規模なコミュニティにとって過大だ。
AB 1856は、この立法上の空白を埋めるために提出された。法案は**Civil Code 1798.501(g)**の「Operating system provider」の定義を改正した。
「Operating system provider does not mean a person or entity that distributes an operating system or application under license terms that permit a recipient to copy, redistribute, and modify the software.(OSプロバイダーには、受領者に複製・再配布・改変を許容するライセンス条件でOSまたはアプリケーションを配布する個人または主体を含まない)」
カリフォルニア州議会の法案要旨によると、GPL(GNU General Public License)、MIT、BSD、Apacheなど主要なオープンソースライセンスで配布されるOSは、この除外に該当する。法案は2026年2月11日にWicks下院議員が提出し、2026年8月21日に上院で修正可決された後、下院の同意を経て知事へ送付された。
今後の見通しと日本への示唆
AB 1856はNewsom知事の署名を待っている段階だ。署名されれば、DAAAと同じ2027年1月に効力が発生する。カリフォルニア州は、商用OSとオープンソースOSの構造的な違いを法律上で区別した初の州となる。
日本企業にとっても示唆は大きい。子ども保護を目的とする年齢確認規制は、欧米で広がりつつある。オープンソースを基盤とする製品やサービスを扱う企業は、商用OS前提の規制がそのまま適用されると開発・運用コストが跳ね上がるリスクがある。カリフォルニア州の判断は、保護とイノベーションの両立をどう設計するかという先例として、他国・他州の立法に参照される可能性がある。
カリフォルニア州議会は、AB 1856の立法趣旨として、分散型でデータ収集を最小化するというオープンソースの原則に配慮しつつ、子ども保護の目的を損なわないバランスを取ったと説明している。
出典
- California Legislature「AB-1856 Age verification signals: software applications. Bill Text (Amended in Senate August 21, 2026)」 — https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=202520260AB1856
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