欧州委員会は、Digital Services Act(DSA:デジタルサービス法)に基づき、OpenAIのChatGPTを超大規模オンライン検索エンジン(VLOSE:Very Large Online Search Engine)に、RedditとRobloxを超大規模オンラインプラットフォーム(VLOP:Very Large Online Platform)にそれぞれ指定したと公表した。欧州委員会のプレスリリース(IP_26_1772)がその内容を伝えている。
DSAは、EU域内でサービスを提供するオンラインプラットフォームや検索エンジンに対して、利用者保護と透明性確保を求める包括的な規制だ。特にVLOPおよびVLOSEに指定されたサービスは、DSAの中で最も厳しい義務が適用される。
何が指定されたか
欧州委員会の発表によると、今回の指定は次のとおりである。
- ChatGPT:VLOSE(超大規模オンライン検索エンジン)に指定
- Reddit:VLOP(超大規模オンラインプラットフォーム)に指定
- Roblox:VLOPに指定
欧州委員会は、これらのサービスがDSAで定める基準を満たしたとして指定に至ったと説明している。DSAでは、EU域内で月間平均4500万人を超える利用者(monthly active recipients)にサービスを提供するプラットフォームや検索エンジンが、VLOPまたはVLOSEの指定対象となる。
ChatGPTは従来、生成AIチャットサービスとして認識されてきたが、今回VLOSEとして指定されたことで、検索エンジンに準じた規制の枠組みで扱われることになる。欧州委員会は、ChatGPTが検索的な利用形態や情報アクセスのハブとしての役割を持つことを踏まえて判断したとみられる。
VLOP・VLOSEに課される義務
VLOPおよびVLOSEに指定された事業者は、DSAで定める最も厳格なレベルの義務を負う。欧州委員会がこれまでに示してきた枠組みでは、主に次の対応が求められる。
- システミックリスクの評価と緩和(違法コンテンツの拡散、基本的人権への影響、選挙プロセスや公共安全へのリスクなど)
- 独立した外部監査の受審
- レコメンダーシステムや広告に関する透明性の確保
- 未成年者の保護や利用者への適切な救済手段の提供
- 定期的な透明性報告の公表
指定を受けた事業者は、指定から一定期間内にDSAの義務への適合を完了し、欧州委員会の監督下で継続的な報告と評価を受けることになる。違反が確認された場合、DSAは全世界の年間売上高に対する高額な制裁金を定めている。
日本企業への影響
本指定はEU域内の利用者を対象とするものだが、DSAは域外の事業者であってもEU域内でサービスを提供する場合に適用される。日本企業がEU向けにオンラインプラットフォームや検索機能、生成AIを活用した情報提供サービスを展開している場合、利用者数や提供形態によっては将来的にVLOP・VLOSEの基準に関係する可能性がある。
また、自社が直接の規制対象でなくても、ChatGPTやReddit、Robloxといった指定サービスを業務やマーケティング、開発で利用している場合、これらプラットフォームの規約変更や透明性強化、広告・レコメンデーションの仕様変更の影響を受ける可能性がある。EU向けにサービスを提供する日本企業は、DSAの適用範囲と自社サービスの位置づけを、法務部門や外部専門家と確認しておくことが望ましい。
欧州委員会は今回の指定について、プレスリリースIP_26_1772で公表しており、詳細な指定理由や今後の手続きは同プレスリリースで確認できる。
出典
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