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米財務省が詐欺闇市場Xinbi Guaranteeを制裁、司法省がインフラ押収 — 240億ドル規模の犯罪基盤を解体
米財務省OFACが中国語の闇市場Xinbi Guaranteeと関連2社を制裁指定。司法省Scam Center Strike Forceは関連インフラと暗号資産約5,280万ドルを押収した。
要点
- 米財務省外国資産管理局(OFAC)は2026年9月9日、中国語で運営される闇市場 Xinbi Guarantee を国境を越える犯罪組織(TCO)として制裁指定した。デジタル通貨などで同市場を支援する2社も同時に指定された。
- 米司法省の Scam Center Strike Force(SCSF)は同日、Xinbi Guaranteeが利用していたインフラと暗号資産ウォレットを押収した。米当局は押収した暗号資産が約5,280万ドル相当だと明らかにしている。
- OFACによると、Xinbi Guaranteeは2022年頃の開設以降、デジタル資産と法定通貨で240億ドル相当以上を処理し、東南アジアの詐欺センター運営者と資金洗浄ネットワークを結び付ける中核として機能していた。北朝鮮のハッカーや既に制裁済みの Prince Group 関連組織による利用も確認されている。
米当局が同時に制裁と押収を実施
OFACが9月9日に公表したプレスリリースによると、今回の措置は大統領令 E.O. 13581(E.O. 13863で改正)に基づくものだ。OFACは「Xinbi Guaranteeは詐欺センター運営者に対し、エスクローサービスや決済、技術提供を含む取引基盤を提供してきた」と説明している。財務省のスコット・ベッセント長官は「東南アジアの詐欺センターは毎年数十億ドルを米国の被害者から奪っている。政権は海外の犯罪企業を解体するためあらゆる手段を行使する」と述べている。
司法省は同日、首都ワシントンの連邦検察(U.S. Attorney’s Office for the District of Columbia)が主導する Scam Center Strike Force によるインフラ押収とウォレット差押えを実施した。OFACの発表は司法省の押収と連携した措置だと明記している。The Hacker News などが伝えたところによると、押収額は約5,280万ドル相当の暗号資産に上る。
OFACは今回の指定が、2025年10月および2026年6月の Prince Group TCO に対する制裁、金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)による Huione Group への特別措置(311条)に続く一連の対応だと位置付けている。Huione Pay が FinCENに「主要な資金洗浄懸念先」とされた後、犯罪者が類似サービスを提供する Xinbi Guarantee へ活動を移転させた経緯があるとOFACは指摘している。
Xinbi Guaranteeとは何か
OFACの説明によると、Xinbi Guarantee は中国語で運営される大規模な闇市場で、詐欺センター、資金洗浄ネットワーク、サイバー犯罪シンジケートを相互に接続する。詐欺実行者は同市場の商人から、資金移動、技術ツール、偽装サービスなどを調達する。OFACは「プラットフォーム上で提供されるエスクローが、犯罪者間の信頼を担保し、詐欺収益の分配を円滑にしている」と分析している。
同市場は2022年頃から活動し、主に東南アジア(カンボジア、ミャンマーなどを拠点とする詐欺団地)で取引されている。OFACは、同市場が国連や各国当局が問題視する「詐欺センター(scam centers)」のサプライチェーンに位置するとしている。FinCENが2025年10月に Huione Group を最終規則で指定した後、Xinbi Guarantee がその顧客基盤を引き継いだとOFACは述べている。
支援企業と英国との連携
OFACはXinbi Guarantee本体に加え、同市場の運営を支える東南アジア拠点のアプリケーション開発企業2社も制裁対象に加えた。OFACによると、これらの企業は2025年6月頃から、法執行機関の監視を逃れるため、エンドツーエンド暗号化を備えた高秘匿メッセージアプリ「SafeW」へ商人ネットワークを移行させる役割を担った。
国際連携も強調されている。OFACは今回の措置が、英国外務・英連邦・開発省(FCDO)が2026年3月26日に実施した Xinbi 関連の制裁と補完関係にあると説明している。米国と英国が東南アジアの詐欺インフラ対策で足並みをそろえた形だ。
大統領令14390に基づく取り締まり強化
財務省は今回の措置が、2026年3月6日付の大統領令 E.O. 14390「Combat Cybercrime, Fraud, and Predatory Schemes Against American Citizens」に基づくものだとしている。同大統領令は、サイバー犯罪や詐欺、恐喝で米国人を標的にする外国由来の犯罪ネットワークに対し、政府が保有する全ての手段を行使するよう命じている。OFACは国土安全保障タスクフォースや国家調整センターとも連携して対応しているとしている。
OFACは、指定された個人・団体が米国管轄内で保有する資産は凍結され、米国人との取引が原則禁止されると注意を促している。違反した場合は民事・刑事罰の対象となる可能性がある。
対策と今後の焦点
- 一次情報の確認を:OFACは制裁対象リスト(SDNリスト)とプレスリリース sb0624 で詳細を公表している。金融機関や暗号資産交換業者は、顧客審査やトランザクション監視で同リストを参照するよう求められている。
- Huione からの移転先に注意:OFACは Huione 規制後に Xinbi へ活動が移った経緯を指摘している。OFACは「闇市場が名称やインフラを変えて存続する」と警告しており、新たなプラットフォームへの移転にも警戒が必要だとしている。
出典
- U.S. Department of the Treasury, Office of Foreign Assets Control「Treasury Cracks Down on Transnational Criminal Organization Behind Cyber Scam Operations Targeting Americans」 (2026年9月9日) https://home.treasury.gov/news/press-releases/sb0624
関連情報
- 押収額や司法省の詳細は、米司法省 Scam Center Strike Force の発表でも補足されている。技術的な制裁根拠や SDN リストの検索は OFAC のウェブサイトで確認できる。
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