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Windows 11のプレビュー版に「Cloud rebuild」— WinREからWindows Update経由でOSを再インストール、USBメディアは不要

Microsoftは2026年9月8日公開のWindows 11 Insider Beta Preview Build 26220.9343で、新しい復旧オプション「Cloud rebuild」を追加した。Windows Updateから対象のWindowsイメージと端末のドライバーをダウンロードしてOSを再インストールする仕組みで、USBメディアやカスタムイメージを用意せず、Windowsが起動しない状態でも復旧できるとしている。Microsoftはプレビュー段階として、本番以外の端末での評価利用を求めている。

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Microsoftは2026年9月8日公開のWindows 11 Insider Beta Preview Build 26220.9343で、新しい復旧オプション**「Cloud rebuild」を追加した。Microsoftは専用ドキュメントで、Cloud rebuildを「Windows 11のPCをクリーンで既知の正常な状態に戻す」ための完全なOS再インストール**と説明している。Windowsが起動しない状態でも実行でき、USBメディアやカスタムイメージを用意せず、インストール済みOSの健全性にも依存しない点が特徴である。

Microsoftはこの機能をプレビュー段階と位置づけ、「本番以外の端末での評価にのみ使用すること」を求めている。機能やUI、コマンドラインオプションは一般提供までに変わる可能性があるとしている。復旧操作ではシステムディスクが再フォーマットされ、端末内のデータが削除される点もMicrosoftは明示している。

要点

  • Cloud rebuildは、Windows Updateから対象のWindowsイメージと端末のドライバーをダウンロードしてOSを再インストールする。そのため再構築後の端末は、USBインストールメディアや組織独自のカスタムイメージなしで実用的な状態に戻るとMicrosoftは説明している。
  • 実行経路は2つある。WinREのTroubleshootメニュー(端末への物理的なアクセスが必要)と、Windows上の管理者権限のコマンドプロンプトである。Intuneなどの管理製品からの遠隔実行は将来のリリースで提供予定とされている。
  • 再構築後は**OOBE(初期セットアップ)**が始まる。Microsoft Entra参加かつIntune管理下でWindows Autopilotに登録済みの端末は、Intuneへの自動再接続とアプリ・ポリシーの再展開が行われる。
  • 同じビルドでWinREのネットワーク機能も強化され、本体OSに保存済みのWi-Fiプロファイルを再利用できるようになった。既定で有効だが、IT管理者は無効化できる。
Windows回復環境(WinRE)に追加されたCloud rebuildオプションの画面
Windows回復環境(WinRE)に追加された「Cloud rebuild」オプション。Windows Updateから取得したファイルでWindowsを再インストールする(出典: Microsoft Learn「Windows 11 Insider Beta Preview Build 26220.9343」

「Reset your PC」との違い

MicrosoftはCloud rebuildの特徴を、「Reset your PC」との比較で説明している。「Reset your PC」と異なり、Cloud rebuildは対象のWindowsイメージと端末のドライバーの両方をWindows Updateからダウンロードする。そのためMicrosoftは、USBメディアを使わず、カスタムイメージを使わず、インストール済みOSの完全性に依存せずに、端末を実用的な状態へ戻せるとしている。

再構築が完了すると端末はWindowsのOOBEへ進む。管理対象外の端末では利用者が新規PCと同様にOOBEを完了する。一方、Microsoft Entra参加かつIntune管理下でWindows Autopilotに登録されている端末では、端末が自動的にIntuneへ再接続し、割り当てられたアプリとポリシーが再展開され、Backup for Organizationsが利用者の設定を復元ユーザーのファイルはサインイン後にOneDriveから利用可能になる。

実行するための前提条件

Microsoftは、Cloud rebuildを開始する前に端末で次を確認するよう求めている。

  • Windows 11が動作し、Windows回復環境(WinRE)が正常であること。WinREが有効かどうかは、管理者権限のコマンドプロンプトでreagentc /infoを実行して確認できる。
  • 端末メーカーがWinREに互換性のあるネットワークドライバーを含めており、WinREから有線Ethernetまたはパーソナル(WPA-Personal)のWi-Fiでインターネットに到達できること
  • 端末がWindows 11の最小ハードウェア要件を満たしていること

WinREからの実行手順

Microsoftが示す手順は次のとおりだ。

  1. WinREを起動する。起動失敗が繰り返されると自動的に起動するほか、Windowsの**「設定 > システム > 回復」で「詳細な起動オプション」の横にある「今すぐ再起動」**から手動で起動できる。
  2. 「オプションの選択」画面で**「トラブルシューティング」→「Cloud rebuild」**を選ぶ。
  3. ネットワークへの接続を試みる。Ethernetなら自動で接続し、Wi-Fiしか使えない場合はWPA-Personalのネットワークを選び、パスキーを入力する。
  4. 準備の完了を待つ。この間にCloud rebuildがWindows Updateへ接続し、対象のWindowsビルドの確認とネットワークドライバーのダウンロードを行う。
  5. 再構築後の状態を確認する。表示されたWindowsビルド・エディション・言語が想定どおりであることを確認する。
  6. データ損失の警告を確認して同意し、「続行」を選んで再構築を開始する。

なお、Windows上の管理者権限のコマンドプロンプトからも開始できる。Intuneなどの管理製品からの遠隔起動は、将来のリリースで提供される予定である。

実行時の注意点

Microsoftはこの機能について、実行時の注意点として2つの警告を明示している。

  • システムディスクは再フォーマットされる。端末内にローカル保存されたファイル、アカウント、アプリ、設定はすべて削除される。OneDriveなどのクラウドサービス上に保存されたデータは影響を受けない
  • 完了まで電源に接続したままにする。準備・ダウンロード・インストールの途中で手動の再起動や電源オフを行うと、Windowsが起動できなくなる可能性がある。その場合は、Microsoftが案内する回復ドライブやインストールメディア、端末メーカー提供の回復メディアを使って復旧する必要がある。

失敗時のエラーコード

Microsoftは、プレビュー段階で確認されている代表的なエラーと対処も公開している。

  • 0x800704C6: 端末にネットワーク接続がない状態を示す。Cloud rebuildはWindows Updateからイメージとドライバーを取得するため、インターネット接続が必須である。Microsoftは、Ethernetか利用可能なWi-Fiに接続してから再実行するよう案内している。なお、現時点ではWinRE環境で利用できるWi-Fi接続はWPA-2 Personalのみと記載されている。
  • 0xc1900200: Windows 11の最小ハードウェア要件を満たしていないか、Windows Updateに必要なドライバーがない状態を示す。Microsoftは最も一般的な原因としてTPM(Trusted Platform Module)が有効になっていないことを挙げ、UEFI/BIOSの設定でTPM(PTT、fTPM、Security Deviceなどと表記される場合がある)を有効にする手順を示している。TPMを有効にしても同じエラーが続く場合は、ネットワークやストレージを含む必要なドライバーがWindows Updateに公開されているかを端末メーカーに確認するよう求めている。

WinREのネットワーク強化

同じビルドでは、WinREのネットワーク機能も強化された。Microsoftの説明によれば、WinREは本体のWindows OSにすでに保存されている、利用可能なWi-Fiプロファイルを自動的に再利用できるようになった。対応する証明書ベースのWi-Fiネットワークも対象である。

従来のWinREは、有線の未認証Ethernetか、WinRE向けに別途事前設定されたWi-Fiネットワークにしか自動接続できず、それ以外のWPA2/WPA3ネットワークには利用者がパスワードを手入力する必要があった。今回の変更により、クイックマシンリカバリやCloud rebuildのようにネットワーク接続を必要とする復旧作業で、端末が自動的にオンラインへ復帰しやすくなる。Microsoftは、利用者やIT管理者がWinRE向けにWi-Fi資格情報を別途設定する必要がなくなると説明している。この機能は既定で有効だが、IT管理者は無効化できる

導入を検討する際の留意点

Cloud rebuildは、Windows 11 Insider ProgramのBetaチャネル向けプレビューとして提供されている機能である。Build 26220.9343はWindows 11 バージョン25H2を基盤とし、イネーブルメントパッケージ経由で配信される。

日本国内でもWindows 11を業務利用する組織は多い。検証する場合は、Microsoftが求める**前提条件(WinREの状態、WinREでのネットワーク到達性、ハードウェア要件)**を満たす端末を用意し、実行するとローカルデータが削除される点を踏まえて、本番以外の端末で評価することがMicrosoftから求められている。ネットワーク機能の検証手順については、MicrosoftはWinREの技術リファレンスを参照するよう案内している。

出典: Microsoft Learn「Cloud rebuild (Preview)」(対象: Windows 11/プレビュー版)/「Windows 11 Insider Beta Preview Build 26220.9343」(リリース日: 2026年9月8日)

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