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規制・コンプライアンス / COMPLIANCE / PASSWORDLESS IDENTITY

英政府がGOV.UK One Loginにパスキーを本格導入 — 2,300万人超が対象、1日のサインインの約1割がパスキーに

英国政府は2026年9月14日、政府サービスの共通サインイン基盤「GOV.UK One Login」でパスキーの提供を本格的に始めたと発表した。対象は2,300万人を超える利用者で、試験運用では30万人以上がパスキーに切り替えた。英国政府によると、パスキーによるサインインは利用者名・パスワード・2段階認証コードを使う方式に比べて最大8倍速く、SMS送信費用が1日あたり600ポンド近く削減されたという。

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要点

  • 英国政府(デジタル・文化・メディア・スポーツ省、政府デジタルサービス、デジタル政府担当大臣ステファニー・ピーコック氏)は2026年9月14日、政府サービスの共通サインイン基盤「GOV.UK One Login」でパスキーの提供を本格的に始めたと発表した。対象は2,300万人を超える利用者になる。
  • 試験運用では30万人以上がパスキーに切り替えた。英国政府によると、1日あたりのGOV.UK One Loginのサインインのほぼ10件に1件がパスキーで行われておりSMS送信費用が1日あたり600ポンド近く削減された。
  • パスキーによるサインインは、利用者名・パスワード・2段階認証コードを使う方式に比べて最大8倍速い。パスキーは特定の端末とウェブサイトに紐づいており、推測や使い回しができないため、英国政府はフィッシングやサイバー攻撃への耐性が高いと説明している。
  • パスキーの設定は任意で、パスワードでも引き続きサインインできる。英国国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)はパスキーをパスワードより安全な選択肢として推奨し、利用者に設定を勧めている。

パスキーとは何か:パスワードを打ち込まず、端末の生体認証でサインインする仕組み

パスキーは、パスワードの代わりに指紋や顔認証、端末のPINを使ってサインインする仕組みだ。英国政府の説明によると、利用者はパスワードを覚えたり入力したりする必要がなくなり同じ端末に備わっている指紋認証や顔認証、PINでGOV.UK One Loginにアクセスできる

パスキーは特定の端末とウェブサイトの組み合わせに紐づいており、推測したり他のサイトで使い回したりすることができない。英国政府は、詐欺師が盗めるパスワードが存在しないため、フィッシングメールや偽サイトを通じたパスワード窃取への耐性が高いと説明している。また、パスキーのロックを解除するために使う生体情報やPINは利用者の端末内に留まり、GOV.UK One Loginが見たり保存したりすることはないとしている。

試験運用で30万人が切り替え、1日のサインインの約1割がパスキーに

英国政府によると、試験運用の期間中に30万人を超える利用者がパスキーへ切り替えた。この試験を経て、2,300万人を超えるGOV.UK One Loginの利用者がパスキーを選べるようになった

1日あたりのGOV.UK One Loginのサインインのうち、ほぼ10件に1件がパスキーで行われるようになっており、英国政府はこれによりSMS送信費用が1日あたり600ポンド近く削減され、英国の納税者の負担軽減につながっているとしている。パスキーによるサインインは、利用者名・パスワード・2段階認証コードを使う従来の方式に比べて最大8倍速いという。

GOV.UK One Loginは、年金の確認、税務手続き、運転免許証の更新、子育て支援の申請など、対象となる政府サービスを順次広げている共通のサインイン基盤だ。

英国政府とNCSCは「フィッシングに強い」と説明

デジタル政府担当大臣のステファニー・ピーコック氏は、パスキーによって利用者は数秒で必要なサービスにアクセスできるようになり、パスワードを狙う詐欺師に対するより強い保護が得られると述べている。

英国国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)は、パスキーをパスワードより安全な代替手段として推奨している。NCSCはその理由として、パスキーが傍受・再利用・窃取できない点を挙げている。

NCSCの国家的レジリエンス担当ディレクター、ジョナサン・エリソン氏は次のように説明している。サイバー犯罪者は重要アカウントに入る最短の経路を狙うため、ログイン情報は標的になり続けている。パスキーはフィッシングへの耐性が高い代替手段だとして、同氏は利用者に対し、GOV.UK One Loginでパスキーを設定し、ほかのサービスでもパスキーが使える場合は設定するよう強く勧めている

パスキーは任意、パスワードでのサインインも継続

英国政府は、パスキーの設定は必須ではないと明記している。パスワードでのサインインを望む利用者は、これまでどおりパスワードを使い続けられる。パスキーを設定した利用者は、端末が備えているセキュリティ機能を使ってGOV.UK One Loginに素早く安全にアクセスできるようになる。

まとめ:政府サービスでのパスワードレス化が本格運用へ

英国政府は、2,300万人を超える利用者がパスワードを入力せずに政府サービスへサインインできる選択肢を持つ段階に入った。試験運用で30万人以上が切り替え、1日のサインインの約1割がパスキーで行われるという実績を踏まえた本格導入であり、SMSによる2段階認証コードの送信費用も削減されている。

利用者にとっての判断材料は、パスキーが任意であることと、NCSCがパスキーをパスワードより安全な代替手段として推奨していることだ。NCSCは、パスキーを設定できるサービスでは設定するよう利用者に呼びかけている。パスキーの設定方法や、パスキーが使えない場合の対処は、GOV.UKの案内で確認できる。

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