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Black Axeの幹部5人を南アフリカから米国へ移送、ロマンス詐欺と資金洗浄で起訴 — 米司法省が発表

米国司法省は2026年9月14日、南アフリカから米国へ移送された「Black Axe」の幹部5人を、通信詐欺と資金洗浄の共謀などの罪で起訴したと発表した。5人は2011年から2021年にわたり、米国の被害者に対してロマンス詐欺や前払い金詐欺を繰り返し、被害者が送った資金を南アフリカへ移していたとされる。

攻撃者グループ
攻撃手法

要点

  • 米国司法省(ニュージャージー地区連邦検事局)は2026年9月14日、犯罪組織「Black Axe(ブラック・アックス)」のケープタウン地区の幹部5人を、通信詐欺と資金洗浄の共謀などの罪で起訴したと発表した。
  • 起訴状によれば、5人は2011年から2021年にかけて、ソーシャルメディアや出会い系サイト、VoIPの電話番号を使って米国内の被害者に接触し、ロマンス詐欺と前払い金詐欺で資金をだまし取ったとされる。
  • 5人はロマンス詐欺などの資金に加えて、ビジネスメール詐欺で得た資金の洗浄にも関与していたとされる。資金は被害者や米国内の口座を経由して南アフリカへ移され、事業体を使って隠されていたという。
  • 5人は2021年に南アフリカで米国の要請を受けて逮捕され、2026年9月11日に米国へ移送された。米司法省は被害者向けの情報ページを公開しており、FBIは被害者からの通報を呼びかけている。

何が発表されたのか

米国司法省のニュージャージー地区連邦検事局は2026年9月14日、南アフリカから米国へ移送された5人を、通信詐欺と資金洗浄の共謀などの罪で起訴したと発表した。5人は同日午後1時から、ニュージャージー州トレントンの連邦地方裁判所で、マイケル・A・シップ連邦地方判事の前で初回出廷と罪状認否を行う予定とされている。

発表したのは、ニュージャージー地区連邦検事のロバート・フレイザー氏だ。フレイザー氏は「Black Axeの構成員とされる者たちは、数千マイル離れた場所から電子機器越しに活動していれば米国の司法の手が届かないと考えていたようだが、それは誤りだった」としたうえで、「この移送は、米国内外の法執行機関とともに、米国民を害する国境をまたぐ犯罪組織を、どこで活動し隠れていようと追い続けることを示している」と述べている。

起訴された5人と罪状

起訴状(追起訴状)で名前が挙げられたのは、次の5人だ。いずれもナイジェリア出身で、犯罪組織「Black Axe」のケープタウン地区(ゾーン)の幹部だったとされる。

氏名 別名の例 年齢
Perry Osagiede Lord Sutan Abubakar de 1st、Rob Nicolella など 57
Franklyn Edosa Osagiede Lord Nelson Rolihlahla Mandela、Dave Hewitt など 42
Osariemen Eric Clement Lord Adekunle Ajasi、Aiden Wilson など 40
Collins Owhofasa Otughwor Lord Jesse Makoko、Philip Coughlan など 42
Musa Mudashiru Lord Oba Akenzua 38

5人全員が通信詐欺の共謀と資金洗浄の共謀で起訴され、行為の期間は2011年から2021年にわたるとされている。このうちPerry Osagiede、Franklyn Edosa Osagiede、Clementの3人には通信詐欺の罪が、Perry Osagiede、Franklyn Edosa Osagiede、Otughworの3人には**加重身元盗用(aggravated identity theft)**の罪が追加で問われている。

Black Axeは、ナイジェリアのベニンシティに本部を置き、複数の国で活動する組織で、地域ごとの支部を「ゾーン」と呼ぶ。起訴状によれば、5人はいずれも南アフリカのケープタウン地区の幹部で、Perry Osagiedeがケープタウン地区を立ち上げ、地区の責任者を務めていたとされる。組織内では詐欺の手口が共有され、公然と議論されていたという。

起訴状が示した手口

裁判所に提出された文書と法廷での説明によれば、5人と他の共謀者たちは2011年から2021年にかけて、ケープタウンを拠点にロマンス詐欺と前払い金詐欺を中心としたインターネット詐欺を広く行っていた。

被害者に接触する手段として使われたのは、ソーシャルメディア、出会い系サイト、VoIP(インターネット経由の電話)の番号だ。共謀者たちは複数の別名を使い分け、米国内の被害者とやり取りを重ねた。

多くの詐欺の筋書きは、**「仕事で南アフリカへ向かう途中に、建設現場やクレーンのトラブルなど不運な出来事が続き、資金や物品が必要になった」**というものだった。被害者は共謀者が使っている別名の人物と恋愛関係にあると信じ込み、求められるままに資金や価値のある物品を、南アフリカを含む海外へ送っていた。

送金をためらう被害者に対しては、個人的な写真を拡散すると脅すなど、支払いを強いる操作的な手法も使われていたという。

資金の移し方にも特徴がある。共謀者たちは被害者本人の口座や、米国内の金融口座を持つ第三者の口座を経由して、資金を南アフリカへ送金していた。場合によっては、被害者に米国内で口座を開かせ、その口座を共謀者たちが自由に使えるようにさせていたという。

起訴状によれば、共謀者たちはロマンス詐欺と前払い金詐欺で得た資金の洗浄だけでなく、ビジネスメール詐欺(BEC)で得た資金の洗浄にも関与していた。別名に加えて事業体を使い、資金の出所を分かりにくくしていたとされている。

罰則の上限

司法省が示した法定刑は次のとおりだ。

  • 通信詐欺の共謀と通信詐欺は、それぞれ最大20年の拘禁と最大25万ドルの罰金
  • 資金洗浄の共謀は、最大20年の拘禁と、最大50万ドルまたは取引に関わった財産の価値の2倍のいずれか大きい額の罰金
  • 加重身元盗用(aggravated identity theft)は2年の拘禁が必須で、他の罪の刑期に続けて執行される

捜査と国際協力

5人は2021年、米国の要請を受けて南アフリカで逮捕された。その後の移送手続きを経て、2026年9月11日に米国へ身柄が移された

司法省によれば、捜査にはFBI(ニューアーク支局と、南アフリカ・プレトリアの米国大使館にあるFBI法執行連絡官事務所)と、米国シークレットサービス(ニューアーク支局、刑事捜査部門、プレトリア駐在事務所)が当たった。移送のための航空機の手配には、米国連邦保安官局が協力したという。

協力機関として、南アフリカの優先犯罪捜査局(HAWKS)、南アフリカ警察庁、南アフリカ国家検察庁と資産没収部門、南アフリカの司法・憲法開発省、INTERPOLが挙げられている。米国司法省の国際課も、逮捕と移送の手続きを支援した。

FBIニューアーク支局のステファニー・ロディ特別捜査官は「Black Axeは悪名高い、暴力を伴う国境をまたぐ犯罪組織であり、資金を得るためにロマンス詐欺にも手を染めている」と述べ、被害に遭った人がFBIに通報することで、こうした犯罪の継続を止めることにつながると呼びかけている。

被害者向けの情報

米国司法省は、この事件についての情報ページを公開している。被害に遭った可能性がある人は、同ページにある質問票を記入して提出できるとされている。

推定無罪について

起訴状に記載された罪状と主張は、あくまで訴追側の申し立てだ。司法省は、被告人は有罪が証明されるまで無罪と推定されるとしており、本記事でもその前提で事実関係を記載している。

出典

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